清水 峰生の
第13回 3つの「J」
'02.9.12
こ
の夏、一人のハワイの若者が日本でウクレレミュージックのプロモーションを行った。
J
ake Shimabukuro (ジェイク・シマブクロ)である。ソニーミュージックより日本デビューを果たしたジェイクは、CDのリリースと共に来日。TV・ラジオ・雑誌と各メディアに出演し、夏の様々な催しにも積極的に登場しながらライブをこなしていた。
ジェイクの演奏をTVやライブでご覧になった方もおられると思うが、彼が得意とするのは非常に早いストローク奏法、いわゆる「早弾き」である。またエフエクターを多用し、ウクレレでありながらも色々な音色を繰り出して演奏をするのも彼の特長である。初めてジェイクの演奏を聴いた人は、そのサウンドに驚き、「ウクレレ1本でここまでできるのか」と感心することだろう。
ジェイクは、ピュアハート、コロンと既に2つのバンドを経験し、ハワイでは若手の実力派として認められているアーティストの一人だ。
ハワイではジェイク・シマブクロとHerb.Ohta,
J
unior(ハーブ・オオタ.ジュニア)が若手の代表格といえるだろう。
ジェイクについて私の感想は、「アーティストというよりは、パフォーマー、エンタティナー」ということだ。これは彼のライブを見てもらえばわかるのだが、観客をノセるのが非常に上手い。テクニックとパフォーマンスについては抜群だといえる。観客の反応によって自分を高めていくタイプだ。いさかか才気走ったところはあるが、これは若いんだから仕方がない。今後、年齢を重ねるにつれて、楽曲がもつ”情緒”を引き出せるようになれば、パフォーマーからの脱却が図れるだろう。
一方のハーブ.オオタ,ジュニアだが、楽曲の情緒を引き出す点においてはさすがに才能を感じさせる。ジュニア自身が意識している・いないに関わらず、父親であるオオタサンのスタイルを継承している。
ジュニアについては演奏スタイルがお父さん的なので、ステージングについては、それこそ若いんだからもう少し工夫した方がいいかなと思う。(ジェイクまでとは言わないけれど)
今は「動のジェイク・静のジュニア」と言えるだろう。ファン層も違うし、これから自分の世界をどう高めていくか、楽しみな2人だ。また彼らに続くプレイヤーがハワイではこれからもどんどん出てくるだろう。
一方、日本はどうだろうか。残念なことだが、私たちと若い人たちの接点が見出せず、
J
apanese Hawaiianの次の担い手をあげることができない。既成のミュージシャンが転向する部分はあるが、新人が育っていないのが現状だ。
IWAO君やサザンオールスターズの関口和之氏がウクレレミュージックで新たな道を切り開こうとしているが、彼らの影響を受けて、新しいタイプのウクレレソリストやグループが登場するかどうか。ここに唯一の可能性がある。
※画像をクリックすると関連のサイトを参照することができます。
清水峰生のプロフィールはこちら
峰生記最新版をみる
|
HOME
|
峰生記
|
布哇庵オンライン
|
Photogallery
|
INFORMATION
|
ハワイアン日本書紀
|
おすすめリンク
|
注:ブラウザソフトによっては一部レイアウトの表示が崩れる場合があります。あらかじめご了承ください。(IE5.0標準)
注:本サイト及びリンク先の情報等によりどのような事態が起ころうと,清水峰生及び当サイトの作成者はその責を一切負いません。
Copyright Hawaiian Company .Inc since 2000