第19回 第3回フェイマス・ウクレレコンテストを見て '06.3.20 |
昨年の11月になりますが、(株)キワヤ商会主催の第3回フェイマス・ウクレレコンテストに行ってきました。今回は、このコンテストの事を振り返りたいと思います。 ウクレレコンテストは第2回も拝見しており、その回は、ソロ部門優勝者(今泉孝文氏)のパフォーマンスが、従来のウクレレにはない、その方独自の世界観があって、非常に記憶に残っていました。 そして、第3回目。 個人的な感想で言うと、前回の方が面白かったかなと。まあ、毎回傑出した人が出てくる訳でもないですからね。 ただし、演奏のテクニックやステージングは全体として底上げが図られていました。 それとユニット部門とソロ部門とに別れていたのですが、ソロ部門よりユニット部門の方がバラエティに富んでいて面白かった。これはウクレレ以外の楽器も入るし、歌も入るしで耳さわりが良かったというのもあります。ウクレレだけのソロ演奏はずっと聞いていると、出場者の緊張感も伝わってくるし、疲れるものなのです。 (ウクレレ・コンテストだから仕方ないけれど) 「プラグ・デイジー」というグループはバイオリンやチェロが入った小楽団の編成で、音の聞かせ方、パフォーマンスの見せ方を知っていて、私としては印象に残ったグループでした。残念ながら入賞には至りませんでしたが、ウクレレコンテストと名うっている以上、選考のふるいにかけられる時点で「いかにウクレレが生きているか」というのがポイントになってくるのだろなぁと思いました。 入賞発表の後、審査員の一人であるキヨシ小林氏がこんな風に語っていました。 「テクニックはみんなにある。最終的には演奏者がウクレレとどういう風に向き合っているのか。ウクレレを通じて何を伝えようとしているのか。そこになってくると」 まさにその通りで、これからコンテストの出場を目指す人は、過去のエントリーや受賞を分析して、インストルメンタルだとか、オリジナルだとか、ハワイアンじゃない方がいいとか、そういう「傾向と対策」を重要視しない方がいいと思います。 「自分がウクレレで何を伝えたいのか」、そこが大事だと思います。 キヨシ小林さんがゲストタイムで「レレの青い空」を弾き語りしましたが、その奏法はそんなに難しいものではなく、実にシンプルなストロークでした。 それは、歌を生かすウクレレの弾き方、ウクレレを生かす歌い方をしているからです。 一つの音が過剰になると聞いている方は押し付けがましく感じることがあります。 ハワイアンのバンドだとスチールギターが陥りやすいですね。 曲の良さを全体が、各パートが、そして歌い手がバランスを考えながらどういう風に伝えるか、そこが大事です。 歌と演奏によって生まれるグルーブから楽曲のテーマを伝えるからこそ、受けては感動をするのです。 キワヤのコンテストについては「ハワイアンが少ないのによく行きますね」なんて事も言われがちなのですが、だからこそ、ハワイアンを演っている私なんかは見に行くのです。なぜなら、違う表現力・異なる世界を見ることができるから。 そしてそれらは、自分の表現力の肥やしとなっていくからです。 今回のコンテストは満員御礼で大盛況でした。キワヤ商会さんの努力の賜物だと思います。ぜひ次回(2007年秋予定)のコンテストも見に行こうと思っています。 |
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