第21回 ジェイクと会って '06.11.24 |
映画「フラガール」は、おかげさまで動員記録を伸ばし、映画の評価も高いようで、嬉しい限りです。ストーリもよく練られていますが、ドラマチックなシーンをさらに高めているウクレレのサウンドも注目に値します。「フラガール」の音楽を担当したのは、ウクレレの革命児と称されるジェイク・シマブクロ。 彼については、このコラムでも以前にとりあげました。コラムでジェイクに触れたのが、今から4年前。見事な成長を遂げたと感心しています。 4年前のコラムで、ジェイクについては「テクニックもあるし、ウクレレにかける情熱もわかる。だけど今は、パフォーマでありエンタティナー。 情緒に訴える域に到達するのが今後のジェイクの課題だろう」と記しました。 ジェイクは、今や、人の情緒に訴える演奏ができるアーティストとして大きく成長したと思います。 それは映画「フラガール」を見た方ならうなずいてもらえるでしょう。かつてのジェイクは、得意技である早弾きを武器に、躍動感のあるアクションを駆使し、パワーと見ごたえのあるパフォーマンスを行っていました。 エフェクターでウクレレのサウンドを様々に変化させ、フジロックにも参加して、並みいるロック好きの観衆の度肝を抜いたこともありました。 近年のジェイクは、アコースティックサウンドに回帰し、今年行ったツアーも一部ではロックバンドのユニットでステージに立ちましたが、その殆どをウクレレ1本で、ライブハウスを中心に観客と距離の近い中で演奏をしてきました。 また、「フラガール」の音楽担当となった事もジェイクの進化に一役かったといえるでしょう。映画のパンフレットの中でいかに映画音楽を担当することが大変だったか、また多くを学んだかを、彼はインタビューで答えています。 ジェイクは、映画「フラガール」の完成に合わせて、福島に来訪。スパリゾートハワイアンズでライブを行いました。メガネに刈り上げヘアーの青年は、メガネをやめて、ソフトなヘアスタイルに変貌していました。(体は筋肉質でしたけど) パフォーマンスはアクティブながら洗練され、ウクレレのテクニックもすばらしく、そして楽曲そのもので人を感動させる事もできるアーティストに成長しました。 見ていると本当にいろいろなアーティストを尊敬し、その影響を受けているのがよくわかります。ミック・ジャガーを彷彿させるアクション、ウクレレの演奏にもオータサンやピータームーン、エディ ・ブッシュが見え隠れします。 ライブ終了後、ジェイクと話す機会がありましたが、気さくないい若者という印象を受けました。「歌は歌わないの?」と、聞いてみましたが、どうもその気は無いようでした。ジェイクは童顔の割には声質はバリトンで、いい声をしているから歌ってもいけるんじゃないかと思うのですけどね。(母親は歌を歌うのが大好きらしい) インストを演る人って歌わないんです。でも、インストだけでは限界があります。 人を感動させるという点において、人の歌声にかなう楽器はありません。 もちろん、歌のプロになれと言っている訳ではなく、インストのプレイヤーでも歌うことでステージに幅が広がるし、表現力もアップする。エリック・クランプトンが今でも最前線で活躍し、人気が高いのは、優れたギタープレイヤーであるに加えて、彼が歌うことにあると思っています。 ジェイクにはぜひ、ウクレレのエリック ・クラプトンになって欲しいなと思うし、彼にはそれができる素地が十分にあると感じています。 いずれにせよ、これからジェイクはどういう風に変わっていくのか楽しみなところです。 ジェイク・シマブクロ公式Webサイト http://www.jakeshimabukuro.net/ ジェイクファンサイト「JKLUB JAPAN」 http://www.jklub.jp/ |
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